観光地ミステリア

朝。

不気味な音で目が覚める。
凄まじくおびえて目が覚める俺。
全裸。
音はやまない。
慌ててパンツをはき、
廊下に飛び出す。
意味は分からない。
ただ一つ言えるのは
オートロックでなくて本当に良かったということだ。
28歳。パンツ一丁で廊下でおびえる俺。



ほら、デリケートに出来てるから
枕が変わると安眠できないんすよ。





ホテルの朝飯。
とても貧相なバイキング。
そりゃ5000円のホテルの朝飯っつたら
こんなもんか。
ホテルの人が親切でいい感じだった。
パンを食ってると
女の二人組が隣に座る。
大阪弁
こんなとこまで来て
大阪弁を聞くとは。





チェックアウトして
ゲラーズの面々と松本観光。
松本城
天気がよくて二日酔いがきつかった。
すがすがしい。




上諏訪に立って入れる温泉があると聞き
移動する。
そばを食ってから入浴。
ゲラーズの面々とこんなにしゃべるのも初めてだ。
人見知り全開。
風呂は銭湯みたいだったけど
いい感じだった。
しわがのびるうううう。




諏訪は観光地。
温泉やそばも有名だが
諏訪湖が有名らしい。
いってみたいと思う。



電車待ちで結構時間があったから
ぴんぴんが松本に荷物を撮りにいってる間
一人で諏訪湖に行ってみた。
もう夕方。




すげーきれい。
やばい。


ああああああああああああああ。




家族連れやらカップルで賑わう湖畔で
一人でミネラルウォーターを飲む。
なんだかすごい孤立感。



本物の男はこんな時我慢する。
ぐっと堪えてその孤独感を満喫するはずだ。


















んなこと俺に出来ると思うか!?







かたっぱしからいろんな人に電話。
このやるせなさを全力で相手にぶつけようと試みる。
案の定うざがられたが、満足。











まだ少し時間が余ったら、ぶらぶらした。
祭り囃子の音。
練習してるんだろうか?
ふらふらと音のする方へ。
しばらくして音が止む。


・・・・ここどこだ?
やっぱりここでも迷子になる俺。
足掻けば足掻くほど迷う。
いつのまにか飲屋街。
うらぶれたスナックがいっぱいだ。
その中の一つからストライプのスーツを着た
あからさまに怪しいおっさんが出てくる。
アコギを持ってる。
流しだ!これが噂に聞く流しってやつだ!!!!
興味津々で観察する俺。
気づかれる。
おっさん、めちゃくちゃ笑顔で
Em→Amな感じの哀愁コードをつま弾きながら
にじり寄ってくる!
恐怖!
おれはまたもやおびえた!
ダッシュで逃げる俺。
逃げても逃げても追いかけてくる哀愁コード。
ますます迷う俺。



半泣きでうろついている所にいい匂い。
ラーメン屋だ。
小腹も減ったしちょっと食ってくか。
と思って入った店はもう駅の真ん前の店だった。
一安心でラーメンを食う。
うめー。
意外な場所にいい店発見。
こってり和風だし。
想像つかないでしょ?




ぴんぴんと落ち合い
普通列車で帰京。
爆睡。
さすがに疲れた。




帰宅後、諏訪湖で無作為に電話したが出なかった
漫画家チダがら電話がある。
元気そう。
長電話。
変化は愛おしいが、怖い。
気がついたら誰もいなくなっているんじゃないか?
でもそれは前進してることなんじゃないか?
なんちゃらかんちゃら。
しょうもない話。
久々で楽しかった。




一杯考える時間があったし
なにより自然いっぱいな所で敏感になれた。
いい旅だった。