山形

松本は人気がなくて
山形市のようだ。
夜の底がすぐそこにある。


結局ライブには間に合って
柳沢とその彼女と軽く飲んでからライブに行った。
野郎は相変わらずだ。
地元は楽しいみたい。
いろいろ暴露話を彼女にしてやろうとしたけど
やめといた。
彼女はとてもいい奴そうだった。
今度東京遊びこないかな。



二人同時に地元は良いと言ってたのが印象的だった。



奴ら明日から旅行なんだって!あの野郎。せっかくここまで来てのに!





ほんでライブ。
なかなかいい箱だ。
すでに酔っ払ってて
いい気持ち。



入った時やってたのが地元のバンドだったのかな?
可もなく不可もなく。
飽きて壁に貼ってあったビックリマンシールを柳沢のポケットに捩りこむ。



次に出てきたのが名古屋在住のバンド。オーガなんとか。
柳沢の後輩らしい。
めちゃめちゃかっこいい。
もうデビューしてるらしい。そりゃそうだわな。
技術的に素晴らしいものがあって演りたい事を明確だけど
もうひとつ突き抜けたらすごいバンドになると思う。
多分そこはゲラーズのほうができてる。
柳沢の後輩て事は相当年下だな。
なんか悲しくなるけど
今あの状態になってるって事は
相当将来明るいと思う。
俺にはできないぞ!ってのは前提のリスナーの意見ね。




ゲラーズ。久し振りに聴いた。
やっぱりいいね。
レコーディングを経て
全員がうまくなったと思う。



ゲラーズも最近デビューしてCD売ってた。
ジャケ作りを手伝ったんだけど
いい感じになってた。
イータンの二宮さんのコメントがついてた。
すげー。
それとは無関係に売れなきゃ嘘なバンドだと思うけど。
がんばってほしいな。






その後柳沢の350万の車に指で卑猥な中学生言葉を書いたりして
ダラダラしゃべる。
ライブハウスにあったフリーペーパーを眺めながら
仕事の話をする。
地方の現実だって圧倒的だ。
ただ、やっぱりその中で何ができるか考えていかないといけないと最近感じる。
こないだmaruさんが少しでも田舎から離れたいと言ってた。
俺も田舎に恨みに近い感情をもって上京したクチだ。
もしもあそこに帰るなら
こういった経緯をもつ自分だからこそやれることがあるんじゃないかと思う。
カルチャーにはそういった土壌を
変えていく力があると信じてる。




そんな感じだけど。
柳沢みたいに地元で楽しく過ごせる自信がない事も確かだ。







柳沢と分かれ
一人でぶらぶら。
バーでいろいろ考える。
旅だ。
一人旅は楽しい。
一人でライブするなら
どっか知らない街でやるのもいいかもしれない。






一度ホテルに帰って大きな風呂に入る。

うがー。
えー気持ちだあー。
明日は温泉いくぜ!






風呂上がりで
ライブの打ち上げに顔を出す。
地元の音楽人がたくさんいる。
いろんな人がいる。
あちこちから優秀なバンドを呼んで。
地元の音楽を守ってる。とても楽しそう。



本当は場所なんて
関係ないんだ。
どこにいたってできるはずなんだ。
俺は地元でやることを止めて上京した。
ただ残って守る事だってできたはずだ。
おれは全て田舎のせいにしていなかったか?







いろんな人の顔がフラッシュバックする。
みんなまだ音楽をやってるんだろうか?







知らない街で自問自答。





だからこそおれは、何をするべきか?







ぐだぐだ言ってねーでやりゃいいんだよ!





と雨が降ってきたころホテルに着く。








明日の朝飯はバイキング!
これだからビジネスホテルは好きだ!

んで蕎麦食って帰りまーす。
おやすみなさい。