トライアングルスコーピオン

集団てのはおもしろい。
ひとりではできないことができる。
いいようにもわるいようにもできる。


ブラッドサースティブッチャーズが「△サンカク」で
歌っていたのはスリーピースバンドのサンカクのことである。


3年ぐらいスリーピースバンドをやっていたんだけど
その人間関係は特殊だった気がする。
俺が主導でやっているバンドで
ベースはもとから友達。
ドラムはそのベースが連れてきた奴。


ドラムの奴とはそこまで仲がいいわけじゃなかったと思う。
別に音楽以外であったりしないし。
でも確実に週一回はスタジオで会うわけだ。
友達と呼べる人間のなかでも
そんなに頻繁に会ったりしない奴もいる。


例えばライブの時。
物凄く早いスピードの中で
ドラムがスティックを落とす。
おれが弦を切る。
またはリズムを見失って挙動不審になる。
ベースが訳分からんやつらにからまれる。
そういった事故は曲のスピードの中でだと
本当に刹那の出来事なんだよ。
その中で庇い合う。
「演奏を貫徹する」という大儀の元に。
そういったことを繰り返すうちに
トライアングルができあがっていく。


もちろんこういったことは
一部でしかなく
ライブに付随するトラブルのいろいろや
練習やその後の酒や
いろいろがそのトライアングルを完成させていく。
解散するときは悲しかったな。
本当に頼もしくて愛嬌のあるドラマーだった。
激しい曲をやるときおもむろに上半身裸になったり。
曲が一番激しくなるところで制御不能になってリズム走り出したり
そんなときは俺も制御不能になって挙動不審になったり。
ベースはマシンだから常に冷静だったり。
腕はいいんだけどそういうほどよくやんちゃな要素がおれにはツボだった。


解散したあと一番の相棒だったベースと上京。
4人編成のバンドをやった。
おれは方向性を考えすぎて思いつめてバランスを崩し
ベースは4人編成での自分の身のこなしを上手にできずバランスを崩した。
綺麗に全員がバランスを崩して、終わった。



例えばスポーツチームなんかもそれに近いものが
あるんだろうけど。


スーパープレイヤーが三人揃えばいいってもんじゃないし
仲がいい者どうしが集えばいいってもんじゃない。
相性がある。やってみないとわからない。
そのバンドが駄目だからといって
そのバンドの人間にいい音楽をやることが不可能なわけじゃなくて
めぐり合わせによっては誰だって
輝く可能性があるんだ。


3って言う数字は
ぎりぎり集団で個人でもペアでもない。
責任がはっきりと自覚できたり。
ぎりぎりの人数で
集団としての力を発揮していかなければならない。
本当にバンドはおもしろい。


こないだスタジオに入った面子が
そういった相性をもっていたら
うれしいな。


まあぼちぼちやってきますよ。


まだ見ていない風景がたくさんあるし。
もう少し冒険もしてみたいんだ。
少しだけね。
興味本位。





おまけ
この人たちを追っかけて東京にきました。
http://www.youtube.com/watch?v=N-9L59QQYXw
検索して昔の映像見てたんだんだけど
その時代その時代でいろんな風景が蘇ってくる。
あー。いいな。


そんなわけで

其処カラ何ガ見エルカ

其処カラ何ガ見エルカ

エキセントリックな女と昔付き合ってた。
別れた後数年して東京で会ったんだけど
「NHKの中国語講座で中国語をマスターし
中国に日本語を教えに行く」と言う。
突然だったから慌てて
家にあったCDを何枚かあげた。
音楽好きだったから。
そのうちの一枚がこれ。
向こうじゃ日本のCDは手に入りにくいらしいから
よくこれ聴いてるってよ。