寒いよ今日も

                                                                          • -

夜。


会社でひとりで仕事をしている。
腹が減ったのでコンビニに行く。


レジで相当待たされて怒る。


店長に切れる。
店長薄ら笑い。


会社で飯を食うが満たされず、
もう一度何かを買いに行く。


「かどわき!」
と声。
振り返るとカマタ。
昔やってたバンドのベーシスト。
仲たがいもしたが親友。
「なんだよ!何で東京居んの?てかなぜ神楽坂?」
「まあ、いろいろあるんだよ。」
奴はでかい鞄をしょっている。
「何入ってんの?」
と聞くと
ホテルのベッドのシーツに
変な虫がついていて
かゆくて眠れないから
洗濯しにいくと言っている。
そんなものフロントに言って取り替えさせればいいだろ?
と言うと
カマタはニヤついている。


そこまでいって何故か気付く。


「そーか!お前女できたろ?今一緒来てるんだろ?」
と言うと一層ニヤつくカマタ。
「なんだよ!よかったなお前!」
はしゃいだ気分になる俺。
いろいろ話も聞きたかったし
こんなとこで偶然友人に再会したら
仕事どころではないので
カマタの洗濯に付き合うことにする。



電灯の類が全て消えていて
月明かりしかない。
いつもと違う神楽坂を歩く。
黒壁が月光を反射して
世界がとても
青い。



どんどん路地裏に入っていく。
神楽坂らしい情緒ある町並みから
だんだんただ古ぼけているだけの町並みに変わっていく。


ふと気が付けば
そこは
仙台長町の路地裏だった。



コインランドリー。
乾燥機がまっ黄色。
スニーカーを洗った後
無理やりこの中に放り込んで乾燥させたことがある。
飛び出さないように蓋を押さえながら。


そういえばカマタと知り合ったのも長町だったな。



そのコインランドリーの向かいの
古い家がショベルカーで解体されていた。
夜中なので瓦礫の上で
傾いたままショベルカーは放置されている。
なんでか腕を振り上げたままにされてある。
その腕の先っちょが
なんでだかとてつもなく明るい月の端っこにかかっている。


そのショベルカーの横っちょのあたりに
立っていた女はアキコだった。


おれらに気が付いたアキコは駆け寄ってきた。
カマタはアキコと一緒だったらしい。
なるほどだからシーツ洗いに行かされてたのか。
気難しい女だったよな。
出会った頃は結構いいやつだったんだけどな。


「なんだよお前らまたよりもどしたのかよ。
もう喧嘩しても俺はしらねえからな!ほんと。
よかったな。」
すごくうれしくなる。
あれなんでこんなにうれしいんだ?
でもなんでこんなにかなしいんだ?
なんでだ?
あれ?








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こんな夢を見た。


んで6時ごろ目が覚めた。
寒い。
この夢が気になって眠れない。
寒い。



よく夢が暗示することがある。
そういったことが過去にもあった。
最悪だった。
だから気になる。
とりあえずカマタにはメールしとこう。
日記なんて書いてる場合じゃない。



アキコは去年死んだ。原因は分かっていない。
夜眠ったきりそのままだった。
自殺ではない。
精神的に追い込まれていたのかもしれない。
と、なんとなく思っている。
カマタは物凄くへこんでた。
別れて数年経っていた。


あのときああすればもっと...
とか思ってんだろう。
察して余りある。
おれも思う。



教科書どおりな言い方だけど
死んだら悩むことすらできない。
すごく悲しい。




ねむ。
もう会社行きます。
入稿一発!







SAMURAI DRIVE

SAMURAI DRIVE

女って自分に少し似てるアーチストとか好むよね。
ドライブしてるときhitomi聞かされて
おれは俺編パンクベストテープに変えたかったんだけど
変えてくんなくて。
カマタ苦笑い。

まあカマタはこの日記読んでないけど。


秋なんてきらいだああああああ!